餃子先進国 四国
四国の餃子が好きだ。
15年前に出張で訪れた高知の江ノ口川沿いの屋台で食べた「安兵衛」。
徳島の秋田町の「ぎょうざ屋」。
ナンジャタウン 餃子スタジアムで食べた香川の「寺岡商店」。
愛媛の餃子はまだ食べたことがない。
どこの餃子も小ぶりで、香ばしいサクサク食感、
いくらでも食べられそうな気がする。
寺岡商店はかつて餃子スタジアムで
全国ナンバーワンに輝いたこともある殿堂入りの名店だ。
通常豚肉を使うところを鶏もも肉でさっぱりとしあげ、
さらにタレも、スダチ胡椒という香川オリジナルのタレが絶品だ。
寺岡商店は通販で取り寄せられるし、
安兵衛は恵比寿や赤坂で同じものを食べることができる。
東京でまさかあの味を食べられるとは思わなかった。
つい数年前までは誰にも見つかってない餃子界の秘境、
マダガスカルのような存在だった。
会う人、会う人に四国の餃子がヤバいんすよ!と
啓蒙活動をしていたが、餃子カテゴリー自体が壮大な思考停止に陥っており、
なかなか受け入れられなかった。
ニンニクたっぷり、肉汁ジューシー、羽根つき、宇都宮・浜松のご当地餃子
、
鉄鍋餃子、モッチリ厚皮ホワイト餃子など、おいしい餃子というのは
ながらくそういったステレオタイプにどっぷりと浸っていた。
それはそれで否定はしないが、明らかにそこで思考停止してしまっており、
新しいおいしさを受け入れる余地が少なかった。
念願叶って、みなが四国の餃子を愛してくれてると思うと、
四国に縁もゆかりもない身だが、嬉しくなってしまう。
恵比寿の安兵衛などはこの前30分近くも並んでしまった。
絶対に赤坂の一屋に行ったほうがいいと思う。
とはいえ嬉しい反面、四国餃子が少し遠くへ行ってしまった気がして、
寂しい気もする。勝手なものである。
なぜ四国の餃子がおいしいのか、
鶏肉やすだち胡椒、小ぶりなサイズ感やその場で餡を包むフレッシュ感、
焼きの技術など、いろいろな要素はあるが、最も本質的な要素は
その皮にあるのではないかと思う。
うどん県香川があることでもわかるように、
四国は良質な小麦の産地だ。最高品質の小麦の皮があるからこそ、
薄皮でしっかりとジューシーな餡を包み、サクサクとした
香ばしい食感を生み出すのではないかと思う。
あくまで勝手な推論だが。
みなさんも一度、四国の餃子にトライしてみてはいかがでしょうか?